記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
許してくれるかはわからない。
けどそれでも謝らなければ。
私と同じ人間がしでかしてしまったこと。
私にも少なくとも責任はある。
「ドラゴンさん、恐れ入りますがこれ以上は…!まだやると言うならば私は貴方様を殺さなければなりません!私は…そんなことはしたくはありません!だからお願いです!どうかお引き下さい…!」
《君はなぜそこまでするのだ?少なからずとも人間の住処1つは燃やした。なのになぜ…我を助けようとする?》
ドラゴンは私を見つめる。
「私は…」
命を大切にしてほしい。
悪い事をしたなら私は裁く。
でも…。
「私は皆には生きていて欲しいのです。それは生き物も同じです。悪い事をしたなら私は裁きます。ですがドラゴンさんは仕返しをしようとしただけです!私は…悪いことだとは思えません。幸いなことに死者は1人も出ていません。だからまだ!今なら引き返せます!」
私は皆を大切にしたい。
『この国を…守って…』
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