記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
私が辞めたらこの3人は幸せになれるの?
「あの、理解が追いつかないのですが…」
正直に言っただけなのに。
たったそれだけなのに…どうして?
「この…っ!」
パンっと乾いた音が聞こえた。
それと同時に私の頬はジンジンと熱が集まっていくのがわかる。
頬を叩かれた。
どうして?
「2人とも好きなだけやりなさい」
その言葉を合図に2人は私を殴る蹴るなど、鋭利な刃物で私の頬や足、腕を切る。
私は痛いのを我慢し、必死に耐えた。
私が何したっていうの?
何も…してない…よね?
「なんであんたみたいなのが生きてんの?」
「死ね!貴方さえいなければ私はあの人と…!」
「……」
…ここにも私の居場所は、ないんだ。

私はボロボロの体で家に帰った。
ミルフィーにはすごく心配をかけさせてしまった。
ヒールで直したのもあるけど、痛みがなぜかとれなかった。
私は重い足取りで家に入る。
するとそこで私を待ち受けていたのは…。
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