記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
「お父様、信じてください!私は本当にやっておりません!」
むしろやられたのは私の方なのに…!
「信じられるか!」
今度は私のお腹を足で蹴った。
私はゴホゴホっと咳き込む。
「どうして…っ」
私はお父様の横にいる2人を見つめる。
「お母様!お兄様!私はやっておりません!信じてくださいっ!!」
私は2人に縋る思いで見つめ、叫んだ。
「シュティーナ」
沈黙を破ったのはお母様だった。
私はお母様が私の言葉信じてくれたんだと…そう思った。
私はお母様の方を見るとお母様は酷く冷たい目をしていた。
「ひゅっ…」
私はお母様の酷く冷めきった目に言葉が出なかった。
お母様はそんな私に歩み寄って、私の髪を掴んだ。
「いた…!お母様…やめて、くださ…」
私は必死に懇願する。
だがその願いは虚しく、お母様は髪を離したかと思うとすぐに私を蹴り飛ばした。
私はドアに思いっきりぶつかった。
「ぐはっ!」
「シュティーナ、貴方にはがっかりしたわ」
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