記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
「……」
「俺の妹がクラスメイトを切りつける子なんて最悪だ。…責任とれよ、シュティーナ」
そう言ったお兄様の声はとても…冷たかった。
そのあとも私はお父様、お母様、お兄様に乱暴にされた。

「お嬢様!!」
お父様達がいなくなってすぐにミルフィーが私のそばに駆け寄ってきた。
身体中が痛い…。
力が入らない。
「ミル、フィー…」
情けないが私の声は震えていて、とても弱々しかった。
「お嬢様、どうされましたか?お怪我は…大丈夫ですか?」
ミルフィーは今にも泣き出してしまいそうだった。
大丈夫だよって笑って言わなきゃいけないのに…なんでかな?
もう…体が言うことを聞かないの……。
「お嬢様、痛いとは思いますが失礼致しますね」
そう言ってミルフィーは私を抱き上げた。
身体中に痛みが走った。
だけど大丈夫。
ミルフィーの優しさが伝わってくる。
我慢できるよ。
私の部屋に着くとミルフィーは私をベッドの上にそっと横にさせてくれた。
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