記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
そう切り出しのはお爺様だった。
その瞬間、その場の空気が一気に重くなったのを感じた。
きっと私が出ていったあとのことがここで話されるんだろうな。
私は姿勢をピシッとさせた。
「まずは学園からの件を片付けるか」
学園側は震えていた。
女子生徒達はきゅっとドレスの裾を握りしめる。
先生達はゴクッと唾を飲み込む。
緊張していることが伝わってくる。
「今回、貴様らが我が孫 シュティーナにやったことは全て把握している。まずリリー・メノア伯爵令嬢が率先となってシュティーナに暴力行為を行った。それは間違いないな?」
と、お爺様はメノア様達に問う。
私はメノア様と他2人をじっと見つめる。
3人は震え、汗が止まらない様子だった。
「は、はい…間違いありません。……申し訳ありません」
そうメノア様が言った。
他2人…ランド男爵とファーム子爵があとに続いた。
「キャベン様、申し訳ありませんでした!」
「大変申し訳ありませんでした!」
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