記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
校長は素直に言った。
だが担任の先生は違かった。
「私は悪くありません!私は生徒達の言うことを信じただけです!」
本来は生徒を守る立場であるべき教師が生徒のせいだと言い出した。
責任から逃れるためにそう言ってしまったのだろう。
認めたらどうなるかわからない。
だけど…。
「貴様は教師であろう?そんな教師が生徒を売ってどうする?」
お爺様はお怒りだ。
担任の先生がこんなお方だったとは…。
私は頭を抱え込みたい気持ちになった。
だけどそれをしてしまうとお爺様は先生に何をするかわからないからやらないけど。
本当は少しわからせてやりたいと思う気持ちも…無くはない。
「私…悪くは…っ」
まだ自分を守ろうとしている先生。
そして汗と震えが止まらないのか。
お洋服がぐっしょりだ。
イス…あとで拭いてもらわないと。
私はチラッとミルフィーの方を見た。
ミルフィーは私の視線に気づくとすぐにこくりと頷いた。
さすがミルフィー。
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