記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
私が思っていたことをちゃんとわかってくれている。
私はミルフィーにニコッと笑うとミルフィーもニコッと笑顔を返してくれた。
ミルフィー…大好き!
私は心の中でミルフィーの笑顔にキュンとときめかせた。
「貴様は教師失格じゃ!」
おっと、いけない!
お爺様がお怒りでついにイスをガタンと音を立てて立ち上がった。
そのお顔は鬼のように険しく、怖い顔だった。
いつもは私にニコニコと笑ってくれている。
でも今は…。
「貴様はシュティーナがやってもいないことをやったと馬鹿な奴らが言ったことを信じ、馬鹿なアルバンはそれを信じてシュティーナに何をしたか…っ!」
「…私は生徒達が言ったことを信じただけでございます!」
先生は必死に"私は悪くありません"とお爺様に訴える。
今にも泣き出してしまいそうな目で……。
だがお爺様のお怒りはおさまらなかった。
「なぜ確認をとらなかった?なぜシュティーナの話を聞かなかった?貴様の目にはシュティーナがそんなことをやる子だと…そう思っているのか?」
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