チョコレートのような甘い彼の溺愛
episode1 ホワイトチョコレート
第一印象は"無気力"
いつも甘い匂いがする彼は、無気力すぎて謎すぎる。
だけどそれが心地良くて綺麗だと感じてしまう。
今は5限目の道徳の時間。
お昼ご飯後の眠くなる時間。
だけど、私は珍しく授業に出ている秋庭くんを見つめてしまっていた。
「そんなに見てくると穴があきそうだよ。」
小さく抑揚の無い声を聞いて、いつの間にか見つめてしまっていた事に気が付く。
「ご…ごめんなさい。」
慌てて顔を手元のノートに移す。
失態すぎる!
気になって見すぎてるとか、失態以外の何者でもないじゃない!!
でも、気になるじゃない!?
高校2年の4月下旬。
今まで授業に出てなかった人が何故か今隣に座って受けているのだもの。
「そんなに焦んなくても。」
そう言って静かに私の髪を撫でる。
それも優しく、割れ物を扱うかのようにー…。
「ちょっ…。」
いつの間にか、私と彼の距離は近くなっていた。
自分の口元に指をたてて静かにするよう合図される。
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