ブルー・ロマン・アイロニー



廊下に張り出されたクラス分けの表を見に行ってくれたノアは、行きと同じように人混みをかき分けながら戻ってきた。

ノアはアンドロイドの中でも長身な部類だから、こういうときに役立ってくれる。



「どうだった?」

「どこにもなかった」

「えっ」

「って言ったらどうするー?」

「なんか最近ウザさ増してない?」


周りの人たちは、仲の良い友だちと一緒のクラスになれたことを手放しで喜んだり、逆にクラスが離れたことに嘆き悲しんでいたりしていた。

もちろんわたしにそういった存在はおらず、誰とも会話を交わすことなく教室までたどり着いた。


クラスの出入り口の頭上にかかった『2-C』というプレートを見上げる。

学校は変わらないとはいえ新しい環境だ。どきどきする。


すうはあと何度か深呼吸をしていざ入ろうとしたとき、背中にどんっと衝撃を受けた。


振りかえると瑠衣ちゃんの姿が飛びこんできて、思わず胸が跳ねる。

睨まれたと思ったのは一瞬で、瑠衣ちゃんはすぐに隣のナナちゃんに笑顔を向けた。


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