ブルー・ロマン・アイロニー
そうこうしているうちに、わたしたちは駅に着いた。
幸いにも駅の中にあるコンビニで傘は買えた。
思わぬ出費だったけれど、背に腹はかえられない。
バッグから定期を出している間にルーカスくんを見失った。
まだお礼も言えてないのにときょろきょろ姿を探していたら、すでに改札の中にいる金髪碧眼イケメンクォーターを見つけた。
「え!ルーカスくんも電車通学だったの?何区?」
「東区」
「そうなんだ、知らなかった。じゃあ逆方向だね」
わたしも改札をくぐって、「傘、入れてくれて本当にありがとう。おかげで助かったよ」と言えるうちにお礼を言った。