ブルー・ロマン・アイロニー


そうこうしているうちに、わたしたちは駅に着いた。

幸いにも駅の中にあるコンビニで傘は買えた。

思わぬ出費だったけれど、背に腹はかえられない。


バッグから定期を出している間にルーカスくんを見失った。

まだお礼も言えてないのにときょろきょろ姿を探していたら、すでに改札の中にいる金髪碧眼イケメンクォーターを見つけた。



「え!ルーカスくんも電車通学だったの?何区?」

「東区」

「そうなんだ、知らなかった。じゃあ逆方向だね」


わたしも改札をくぐって、「傘、入れてくれて本当にありがとう。おかげで助かったよ」と言えるうちにお礼を言った。


< 147 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop