ブルー・ロマン・アイロニー
「っ……!」
「好きなやつを守りたいと思うのは、当然のことなんだろう?」
「そ、れは……!」
「……俺もそうだよ。だからあんたを守ったんだ」
ルーカスくんが残っている腕を持ちあげると、金属がはじけ飛ぶ音がした。
「ルーカスくん!!」
「うるさいな、この音。悪い、もうすぐ止まるから。それまで我慢してくれ」
きっと止まったらだめなんだ。この音が止まってしまったとき、それを意味するのはきっと。
ずっと鳴り響いているアラームがその声をかき消す。
ううん、ルーカスくんの声が小さくなっていっているんだ。
「あとから色々なことを知ることになると思う。だけど、これだけは知っていてほしい。俺があんたを選んだのは偶然だったけど、あんたに向けた想いは本物だった」
ザザ、とその声にノイズが混じり、さらに聞き取りにくくなる。