ブルー・ロマン・アイロニー


「最後に少し、あまりと話をさせてくれ。もう逃げねえから。研究にもちゃんと協力する」

「……ふん、まあいいだろう。許可する」

「どーも。……あまり」


目の前までノアがやってきたのがわかる。

だけど今度は、わたしがノアの顔を見れなかった。



「あー……その、悪ぃな。お前の名前の由来、まだ思いついてねえんだわ」

「そんなの……」

「けど、おまえの名前にも天が──空が、入ってる」



わたしは自然と、顔をあげていた。



「だからよ、あまり」


ノアは笑っていた。わたしに、最後の顔を見せるように。



「お前も、俺も、どこまでもいけるんだぜ」


自分の最後の顔はこれだと言わんばかりに。



「なんたって俺たちは、自分のほんとうの色を知ってるんだからな!」


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