ブルー・ロマン・アイロニー


後悔することの可能性を考えていないわけではなかったけれど。

まさかこんな早くに、アンドロイドを連れてきたことを後悔することになるとは思わなかった。


浮いている。ものすごく、浮いている。


すれ違った人みんな、ぎょっとしてこちらを振りかえる。

もちろん視線の先にいるのはわたしじゃなくて、黒スーツのアンドロイド。


職員室に着くまでに何度も先生に呼び止められ、そのたびに連れているのはヤクザじゃなくてアンドロイドなのだと説明をした。


職員室に着いてからも大変だった。


学校にアンドロイドを持ち込むには、アンドロイド持ち込み許可証を提出しなければいけない。

その用紙を担当の先生から受け取って記入しているときも、通りかかる先生たちに小指を詰めていないかを確認された。


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