ブルー・ロマン・アイロニー
お昼はいつもナナちゃんの席に集まってご飯を食べている。
お弁当を食べているのはいつも瑠衣ちゃんだけで、わたしだけじゃなくナナちゃんもパンやおにぎりなどコンビニ食を食べていることが多かった。
先に食べ終わったわたしはそっと腰を浮かす。
「あまり、どこに行くの?」
「ちょっとトイレ」
「そう。行ってらっしゃい」
ナナちゃんは一度もわたしの顔を見ずに言った。
とても器用だと思った。
思えば、ナナちゃんも瑠衣ちゃんも連れ立ってトイレに行くことはない。
ふたりがどれだけ仲がよくてもそこは別らしい。
席を立ったわたしは、ちらりとアンドロイドを見やる。
無表情でぼんやりとしていた。
あれだけ言っていたくせに、データベースの海を泳いでいるのかもしれない。
しばらく放っておいてもいいだろうと判断し、わたしは教室をあとにした。