ブルー・ロマン・アイロニー
夢なんて見なきゃよかったんだ、最初から。
アンドロイドも、アンドロイドを大事にしていた人たちも。
期待なんてしなければ、きっと失うものなんてなかったはずなのに。
そこまでして、なんでアンドロイドを生み出すのだろう。
なぜ人はアンドロイドを作り出したのだろう。
……なんで。
アンドロイドは、当然のように社会に混じっているのだろう。
小さいときからずっと、ずっとずっと、繰り返しずっと、考えていた。
アンドロイドがいない世界だったら、って。
アンドロイドがいたから人生が変わってしまった人もきっと多くいるだろう。
満員電車からはじき出されるように。
コップのふちから水がこぼれ落ちるように。
わたしも、そのうちの一人だった。