恋人は幽霊
駅まで歩いて5分。
近くて便利だ。だけどあの男だけが邪魔すぎる。
夢香は歩きながら考えていた。
駅に着いてホームで電車を待っていると、「その車両は危ないよ」陸が突然現れて忠告してきた。
引っ越してからこの駅からの通勤は初めてだが、職場は駅から3つ目の駅前の大きなビルの中にある。
「こっちにおいで」
夢香は仕方なく並んでいた列から外れて、2つ隣の列に並び直した。
何が危ないのかよくわからないが、陸の言うことを素直に聞いてしまった。
電車が来て乗り込むと、かなり混雑している。毎日こんななんだと思ったら嫌になるが、3駅だしなんとか我慢できるだろう。
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