恋人は幽霊
「タバコを吸う女は嫌いでしょ」
「そんな事ない、むしろかっこよくて好きだな」
「そう」
夢香は陸にこれで嫌いになってもらえるんじゃないかと期待したが、逆効果だった。
一服が終わって次の営業先へ向かう。
カバンからガムを取り出し、一瞬陸に渡そうとしたが、すぐに自分でガムを噛んだ。陸は何も食べないし飲めないんだった。
「今一瞬僕にガムをくれようとした?優しいんだね」
なんでもお見通しって訳だ。
夢香は無視して早歩きで向かい顧客の家に
着いた。
少し息を整えてから、気を取り直してから、インターフォンを押した。
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