恋人は幽霊
申し込み用紙も全部そろったし、あとはあのお客さんの健康診断の結果次第で保険に加入できるか決まる。
夢香はこんな大きな保険を扱ったことがなかったので、凄くワクワクしていた。
契約した保険料が高いほど、給料も高くなるからだ。
「あら、もうこんな時間だわ」
事務所の時計を見ると17時を過ぎていた。
少し早いが、池田と待ち合わせの店に向かうことにした。
「君はあの上司のことが好きなの?」
突然陸に聞かれ、夢香はビックリした。
「好きとかそういうのはないわよ、尊敬はしてるけど」
「へえ、好きって顔に書いてあるけどな」
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