恋人は幽霊
「仕事の関係だけよ、好きとかそういうんじゃないから」
夢香は必死に言い訳した。
いつもの店とは駅前のお洒落な居酒屋だ。洋風居酒屋という、料理もイタリアンやフランス料理などもあるちょっとお高めの居酒屋だ。
ここに来るときはいつも上司の池田が会計を済ませるので、どれくらい高いかは夢香は知らない。
17時10分前に着いて、店の前で待つ。すぐに池田がやってきた。
「待たせたね」
「いいえ、私も今来たところです」
「さ、中へ入ろう」
2人は居酒屋の中へ入っていった。
「佐々木さん聞いたよ、すごいの契約したんだって?」「ええ、まぁ、たまたまなんですけどね」池田はもう夢香の契約のことを知っていた。上司だから当たり前か。
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