恋人は幽霊
夢香はゆっくりと湯船に浸かった。
陸は幽霊のはずなに、全く違和感がない。本当に幽霊なのかと錯覚してしまうほどだ。
夢香は陸に触れてみようと思った。
幽霊だから冷たいのかな?
そんなことを考えながらお風呂を出た。
「ご飯できたよ」
「あら、早いのね」
テーブルにはいつものたくさんの料理が並んでいる。
夢香は陸にそっと近づいて、陸の手を握った。
感触がない。
握っているのに感触がないのだ。
やっぱり幽霊なのだと実感した。
「どうしたの?」
陸に聞かれて夢香は手を解いた。
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