自信家幼なじみが隠すもの



 ……だからこそ、ムカつく。


「桃ちゃんって日に日に可愛さに磨きがかかっていくよな~」

「わかるわ~。そんじょそこらの派手な女子とは違うピュアな可愛さな」

「それな。あの真っ白な桃ちゃんを自分の手で……」


「お前らの脳みそを潰していけば、くだらない妄想は止まるか?」


 密かに人気を集めていく桃の可愛さが。


 桃のことを考えると余裕がなくなってしまう自分の狭い心が。


「「「…………」」」


 俺の一言で弾まなくなった男子トーク。


 軽くぐーぱーを繰り返すと謝罪と共に友人の後頭部が見えた。


「悪ノリが過ぎた! ごめん!!」

「大和の大切な彼女は可愛いなって話をしたかっただけなんだ!」

「そもそも、イケメンでハイスペックの彼氏面どころか旦那面してるお前に勝てるなんて誰も思ってねーから安心しろよ……」


 次々に弁解をしていく友人たち。


 それでも俺の心が落ち着くことはない。



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