言えなかった想いを、また
2人の旅立ち

宮川琴音

「琴音、知ってる?翔太って3年生の時から琴音のこと好きなんだってー!!」

「いや、それ本人に言っちゃダメでしょ。因みに誰から聞いたの?」

「翔太の友達に直接!日光(修学旅行)で言ったらしいよ」


衝撃だった。あの頃はもう嫌われていると思っていたから。

でも、もう私の中に翔太に対する恋心はなかった。クラスが離れてから会っていなかったし、話す機会もなかった。


「で?やっぱり付き合うんですかね。脈アリですよ」

「ううん。翔太のことはもう友達としてしか見てないよ」


可能性がないとわかって肩を落とす友達。私にとってあの頃はもう思い出でしかないのだ。



どちらかというと、4月から始まる中学校生活が楽しみだ。
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