【コミカライズ連載中】姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
「大体、わたくしには釣り合わないのよ……!貴方のような気の使えない男は」
「……!?」
「はぁ……やっぱり失敗だったかしら」
その言葉を聞いた瞬間、何かが音を立ててプチリと切れる。
「君が……君が誘わなければこんな事にはならなかっただろうッ!?だったら違う令息にすれば良かったじゃないか!それが出来なかったんだろう!?こんなに性格が悪ければ当然だなっ」
「は…………?」
「自分で選んだ癖に何なんだよ!偉そうにッ……いい加減、俺に八つ当たりをするのは止めてくれ!!!」
「何ですって……?」
「いつも愚痴ばかりで、その癖自分は何もしないじゃないか……!!ウェンディはこんな事、一度も言ったこともなかったのに……っ」
「ーー!!?」
「ッ、ドレスと他の令嬢の文句しか頭にないのか!?少しは他の事も考えたらどうなんだッ」
言い過ぎたかもしれない……そう思った時にはもう遅かった。
ーーーバンッ
大きな音と共に紅茶のカップが倒れて、白いテーブルクロスに染みていく。
ジャネットが立ち上がりながら震える手でテーブルを叩いた音だった。