【コミカライズ連載中】姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
苦しげに呟く声を聞いて、更に涙が溢れた。
その言葉の意味は分かりたくなかった。
涙が乾く事はなかった。
そのまま気絶するように眠った。
数日後、予想通りジャネットがフレデリックの婚約者になった。
ほんの少しだけ期待をしていたが、父は此方の心情を汲む事もなく「申し訳ないが」と一言だけ呟いて家を守る選択をした。
ニルセーナ伯爵も夫人も息子の醜聞を恐れてか、特に何も言う事もなく、すぐに同意した。
フレデリックとジャネットからの謝罪は無かった。
そしてニルセーナ伯爵家からも何の言葉も無かった。
何事もなかったように、今日がまた始まった。
ただ違うのは姉は婚約者を得て、自分は婚約者を失ったという理不尽な現実だけだ。
絶望感でいっぱいだった。
母は姉を激しく非難した。
「はしたない」「勘当するべきだ」
そう言ったが、父はデイナント子爵家の評判が下がる事だけは避けなければならないと母を止めた。
父は姉が妹の婚約者を寝取った事に難しい顔をしていたが、自分にも愛人がいるためか寛容だったのかもしれない。
カンカンに怒っている母を見ても、姉は素知らぬ顔でフレデリックの元に行ってきますと出かけていった。
その言葉の意味は分かりたくなかった。
涙が乾く事はなかった。
そのまま気絶するように眠った。
数日後、予想通りジャネットがフレデリックの婚約者になった。
ほんの少しだけ期待をしていたが、父は此方の心情を汲む事もなく「申し訳ないが」と一言だけ呟いて家を守る選択をした。
ニルセーナ伯爵も夫人も息子の醜聞を恐れてか、特に何も言う事もなく、すぐに同意した。
フレデリックとジャネットからの謝罪は無かった。
そしてニルセーナ伯爵家からも何の言葉も無かった。
何事もなかったように、今日がまた始まった。
ただ違うのは姉は婚約者を得て、自分は婚約者を失ったという理不尽な現実だけだ。
絶望感でいっぱいだった。
母は姉を激しく非難した。
「はしたない」「勘当するべきだ」
そう言ったが、父はデイナント子爵家の評判が下がる事だけは避けなければならないと母を止めた。
父は姉が妹の婚約者を寝取った事に難しい顔をしていたが、自分にも愛人がいるためか寛容だったのかもしれない。
カンカンに怒っている母を見ても、姉は素知らぬ顔でフレデリックの元に行ってきますと出かけていった。