【コミカライズ連載中】姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
何事もなかったように話しかけたのは敢えてだ。
でなければ、自分の悪い部分を認めてしまう事になる。
他の男と結婚したという事は、もう水に流してくれたに違いないと……そう思うしかなかった。
そんな此方に対して、ウェンディの視線には軽蔑と驚きが混ざっていて、それに大きく傷付いた自分が居た。
何故か自分だけ置いてけぼりにされたような気がしていた。
ウェンディがゼルナを見つめる表情を見て目を見開いた。
自分が婚約者だった時はいつも不安そうに此方の顔色を伺っていたのに……。
ウェンディは彼を心から愛しているのだと分かってしまったのだ。
それと同時に湧き上がるのはどうしようもない後悔だった。
(……ウェンディは、やはり"俺"でなくとも良かったのか)
あれだけの差を見せつけられてしまえば、そう思わざるを得ない。
そして何より驚いたのはマルカン辺境伯の息子で変わり者、変人などと呼ばれていたゼルナの端正な顔立ちと優雅な仕草。
そして……ウェンディへの溺愛っぷりだ。
『愛する妻を侮辱する行為を、僕は絶対に許さない』
ジャネットに対して容赦なく牙を剥き、当然のようにウェンディを守ろうとしていた。
『愛想がない?有り得ないな。それにウェンディは詰まらない女ではない……今すぐ撤回しろ』
『二度とこのような事が起きないようにしてくれ。それと、僕の許可なしに彼女に近付くな』
今まで……彼女を守ったことはなかった。
でなければ、自分の悪い部分を認めてしまう事になる。
他の男と結婚したという事は、もう水に流してくれたに違いないと……そう思うしかなかった。
そんな此方に対して、ウェンディの視線には軽蔑と驚きが混ざっていて、それに大きく傷付いた自分が居た。
何故か自分だけ置いてけぼりにされたような気がしていた。
ウェンディがゼルナを見つめる表情を見て目を見開いた。
自分が婚約者だった時はいつも不安そうに此方の顔色を伺っていたのに……。
ウェンディは彼を心から愛しているのだと分かってしまったのだ。
それと同時に湧き上がるのはどうしようもない後悔だった。
(……ウェンディは、やはり"俺"でなくとも良かったのか)
あれだけの差を見せつけられてしまえば、そう思わざるを得ない。
そして何より驚いたのはマルカン辺境伯の息子で変わり者、変人などと呼ばれていたゼルナの端正な顔立ちと優雅な仕草。
そして……ウェンディへの溺愛っぷりだ。
『愛する妻を侮辱する行為を、僕は絶対に許さない』
ジャネットに対して容赦なく牙を剥き、当然のようにウェンディを守ろうとしていた。
『愛想がない?有り得ないな。それにウェンディは詰まらない女ではない……今すぐ撤回しろ』
『二度とこのような事が起きないようにしてくれ。それと、僕の許可なしに彼女に近付くな』
今まで……彼女を守ったことはなかった。