【コミカライズ連載中】姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
そう思ってハッとした。
(…………今ならまだ間に合うかもしれないわ!フフッ、ゼルナ様だって、わたくしの魅力を知ったら、絶対にウェンディよりもわたくしの方を選ぶに決まっている……!今までもそうだったもの)
あんな美男子の旦那と暮らせるのも、あのドレスショップに入れるのも、あの馬車に乗れるのも……どう考えたって相応しいのは自分の方だ。
(フレデリックをウェンディに返せば納得する筈よね……?ウフフ、わたくしったらなんて頭がいいのかしら)
フレデリックが暗い顔で馬車に乗り込んで来たが、気にならないくらいに気分が高揚していた。
だって、もうすぐウェンディの幸せは自分のものになるのだから……。
(今日帰ったらお父様に頼んでみましょう!お母様にはバレないようにしなくちゃいけないわね。口煩いもの)
そうしたら今度こそ自分が幸せになれる……この男の婚約者も、あと少し我慢するだけでいいのかと思うとスッキリとした気分だった。
「はぁ…………最悪の気分だ。今回はもうドレスは諦めてくれよ?」
「…………」
「おい、ジャネット……!!」
「……もういいわ。我慢してあげる」
「!!」
「ふふっ……楽しみ」
フレデリックの時と同じ……ゼルナも直ぐに自分のものになる。
(……次にあそこに立っているのはわたくし。そうよね?ウェンディ)
(ジャネットside end)