【コミカライズ連載中】姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
いきなりゼルナが目の前で顔を覗き込んでいた事に吃驚して悲鳴をあげる。
それから衝撃的な言葉が聞こえて二重の意味で驚いていた。
意味を理解して口元を押さえながら顔を真っ赤にしていると、にっこりと爽やかに笑うゼルナはキラキラと輝いて見える。
ベッドの上にあがり、此方に近付いてくるゼルナを目を見開きながら見ていた。
そっと手を握られて唇を寄せた彼の積極的な行動にドキリと肩を揺らした。
今日はどこか雰囲気が違って、目を合わせるだけで心臓がバクバクと音を立てた。
「ゼルナ、様……?」
「…………ウェンディ」
心臓が口から飛び出すのかと思った瞬間ーー。
「ーーウェンディ様、ゼルナ様!?大丈夫ですかッ!?」
悲鳴を上げたことで、マーサの妹で侍女長のハーナが慌てた様子で扉をノックをする。
ゼルナが「僕が悪戯したから驚いちゃったみたい」と言うと「ゼルナ様、悪戯は程々にして下さいませ」と扉越しに声が届く。
「私も大丈夫です!すみません」と言うと、ハーナは安心したのか「おやすみなさいませ」と言って去って行った。
「あ、あの……!ごめんなさい」
「いや、いいよ……でもウェンディが寂しいかと思って、急いで部屋に来たのに少し悲しいかな」
「……!!」
「嘘だよ……こちらこそごめんね。驚かすつもりはなかったんだけど」
「いいんです!私の方こそ大声を出して申し訳ありません。少し考え事をしていて……それに、ゼルナ様のお顔の刺激が強すぎて驚いただけです」
「あはは!そんなことを言われたのは初めてだよ!そんなに違うかな……?僕は見慣れてるから何も思わないけど……」