【コミカライズ連載中】姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
妹よりも上に立つのは姉として当然の事だと思ったからだ。
でなければ、ウェンディに負ける事になる。

(狙うのは公爵家の嫡男……いいえ、王族だって大丈夫な筈よ!わたくしはウェンディよりも、ずっとずっと輝いていなければ)

その日から誰よりもお洒落に気遣い、目立つように髪や肌にも人一倍気づかって、大好きなお菓子だって我慢した。
死ぬほど苦しかったけれど、一番キツいコルセットをして努力を重ねた。

横で美味しそうにお菓子を頬張るウェンディを見て、苛立ちを募らせていた。

(……絶対に、わたくしが勝つんだから)

そんな努力が実って、次第にどこに行っても男性の視線を引くようになっていった。
ウェンディではなく、自分にスポットライトが当てられた瞬間……今までの焦りや痛みがどうでも良くなってしまう程に何もかもが満たされた。

「ジャネット、プレゼントがあるんだ」
「君は誰よりも美しい」
「僕と結婚してくれないか」
「いいや、ジャネットは俺と結婚するんだ」

そんな声が耳に届くようになり、お茶会やパーティーから帰ると、ウェンディに自慢する事が日課になっていた。


「あら、ウェンディ……またそんなドレスを着てるの?」

「お姉様……」

「本当、いつまで経っても地味よね」

「!!」

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