【コミカライズ連載中】姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
マルカン辺境伯は現国王の二番目の弟が当主を務めている。
彼自身も幼い頃から相当な変わり者で有名だったらしく、早々に王位継承権を放棄した。
自然をこよなく愛し、母方の祖父の元に入り浸り、そのうちに剣の頭角をメキメキと現して"マルカン辺境伯"を継いだのだそうだ。
武術や剣術で彼に敵うものは居ないと言われており、騎士団に呼ばれて特別講師として指導している。
その指導について来れる騎士は稀だという。
王子達はマルカン辺境伯を剣の師と慕っているらしい。
鬼、大魔王……そんな噂がある一方で、賑やかで優しいという一面もあるようだ。
遠くからしか見たことがなく実際に深く関わった事がない為、分からないし人物像も見えて来ない。
(……私、大丈夫かしら)
そしてその息子、ゼルナもマルカン辺境伯を超える相当な変わり者と聞いたことがあった。
マルカン辺境伯とは違い、剣はからっきしだというが武術にかなり長けていて、武術が盛んな隣国では知らぬ者はいない程だという。
素手で彼に敵う者は居ない……兎に角、恐ろしいのだそうだ。