【コミカライズ連載中】姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
荷物を持ったまま、どれだけの時間固まっていただろうか。
動物の大きな鳴き声が間近で聞こえてハッとする。
(此処に来るって決めたのは自分だもの……!何があっても頑張らなくちゃ)
今から全部、自分の事をしなければならないと思うと上手くできるかは正直不安だった。
何故ならばデイナント子爵家から、侍女を一人も連れて来なかったからだ。
出発が急だった事もあり、王都から辺境の地に連れてくるのは侍女達の気持ちを考えると言い出せなかった。
他の令息ならまだしも、ゼルナの噂もあり誰も進んで手を上げなかった事も大きかったかもしれない。
ギシギシと軋む玄関の前に立ち、恐る恐る扉を叩いて一歩後ろに下がる。
しかし返事はない。
「あの、すみません。誰か居ませんか………?」
何も反応がなく戸惑っていた。
もう少し大きな声を出してみようと、思いきり息を吸い込んだ時だった。
「すみませッ……!」
バタンと勢いよく扉が開く音が聞こえた瞬間ーー
動物の大きな鳴き声が間近で聞こえてハッとする。
(此処に来るって決めたのは自分だもの……!何があっても頑張らなくちゃ)
今から全部、自分の事をしなければならないと思うと上手くできるかは正直不安だった。
何故ならばデイナント子爵家から、侍女を一人も連れて来なかったからだ。
出発が急だった事もあり、王都から辺境の地に連れてくるのは侍女達の気持ちを考えると言い出せなかった。
他の令息ならまだしも、ゼルナの噂もあり誰も進んで手を上げなかった事も大きかったかもしれない。
ギシギシと軋む玄関の前に立ち、恐る恐る扉を叩いて一歩後ろに下がる。
しかし返事はない。
「あの、すみません。誰か居ませんか………?」
何も反応がなく戸惑っていた。
もう少し大きな声を出してみようと、思いきり息を吸い込んだ時だった。
「すみませッ……!」
バタンと勢いよく扉が開く音が聞こえた瞬間ーー