【コミカライズ連載中】姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
そして時が経つにつれて、周囲はどんどんと婚約者が出来ていく。
相手が定まってくると、姉に結婚を申し込む手紙も減っていった。
それなのにまだ結婚相手を選り好みしていた。
王族と結婚する事を諦めきれなかったのだ。

しかし、次第に年齢というタイムリミットは迫ってくる。
その結果……姉は"売れ残り"と囁かれるようになっていった。

訳ありな令息や、歳上の貴族達からしか婚約の申し込みが来なくなったと気付いた瞬間に、焦りが出てきたのか、今までとは態度をころりと変えた。

身分の高い令息から連絡を取ってみるものの、今まで姉に言い寄っていた令息達にはもう婚約者がいた。

母の「だから言ったのに!」という声が響いていた。
そんな母に苛立ちを露わにしては、文句を吐き散らす。

(だからって、人の婚約者に手を出すなんて……信じられない)

目の前が真っ暗になった。

人は、あまりにも衝撃を受けると言葉が出なくなると、どこかの文献に書いてあったが、どうやら本当のようだ。
頭と体が切り離されたようだった。

心は軋んで悲鳴を上げていた。

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