【短編】保健室の常連客
日用品を買った日曜日
日曜日の午前10時。
近所の100円ショップで買い物を終えて、自転車のかごに荷物を入れた。
天気、心配してたけど、晴れて良かった。
今日は家中ピッカピカにするぞ。
「あれ……? 桧村さん?」
自転車を動かしていると、聞き覚えのある声に名前を呼ばれた。
「やっぱり桧村さんだ! おはよ〜」
「っ、おはよう……」
振り向いた先にいたのは、両手にエコバッグを持った広川くんだった。
片方にはスポーツドリンク、もう片方にはネギが見える。
隣のスーパーで買い物してたみたい。
「あ、もしかして今から帰る? それなら途中まで一緒に行ってもいい?」
「うん……いいよ」
「やった! ちょっと待ってて!」
了承すると、嬉しそうな足取りで自転車を取りにいった。
ビックリした……。まさか学校外で会うなんて。完全に油断してた。
午前中だし、誰にも会わないだろうと思って、上下スウェットで来ちゃったよ。