【短編】保健室の常連客
「あれ……⁉ もしかして小山⁉」
「おお! 松本!」
すると、私と同い年くらいの男の子が近寄ってきた。
「久しぶり〜! 元気だった?」
「おぅ。そっちも相変わらず元気そうだな」
「ハハハ〜。てか何年ぶりだっけ?」
「んーと、最後に会ったの卒業式の時だから、4年?」
「ってことは小学生ぶりか。やばっ! 時の流れ早すぎ!」
私そっちのけで話し出した2人。
話を聞く限り、小学校の同級生っぽい。
武田くんと同類の元気な男の子だ。
「桧村さん、紹介するよ。こいつ、小学校の時の……」
「どうも! 小山の友達の松本です!」
「桧村です……。はじめまして」
勢いが良すぎて、広川くんの声にかぶっちゃってる。
感動の再会を果たして、話が弾むのはわかるけど……。
「あ、そうそう。実はさ、俺名字変わったんだよね」
「えっ、マジ⁉ いつ?」
「中3の終わり。今は広川って名前なんだよ」