【短編】保健室の常連客

終末を迎えた週末


休日が終わり、多くの人が憂鬱な気分になる月曜日がやってきた。



「桧村さん、おはよう」



駐輪場に自転車を停めていると、広川くんが登校してきた。



「おは、よう」



目を合わせた瞬間、ドキッとして、ぎこちない挨拶に。


一昨日、彼の友人に会った後、お店を何ヶ所か回ったんだけど……。


デート、彼女、クラスメイト。


頭の中で色んな単語がぐるぐる回って、目が合う度に胸がドキドキして。

でも、変に意識してたら、気を遣わせてしまう。
顔に出ないようにと、感情を抑え込んで。

その結果、上手く言葉が出なくなり、スムーズに会話ができなかった。

別れ際も、顔ガチガチになってた気がする。



「桧村さん、今日の昼休み、時間ある?」

「うん。ある、よ」



下駄箱に移動しても、ぎこちなさは変わらず。


私ってば、丸1日経ってるのに引きずりすぎ。

ちょっとツッコまれただけなのに、こんなあからさまな反応してたら……。
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