【短編】保健室の常連客

信用してくれているんだなと、嬉しい反面。



「ごめんね。暗い話を真っ昼間にしちゃって」

「ううん。話してくれてありがとう。何か力になれることがあったら言ってね」

「ありがとう。桧村さんがクラスメイトで良かった」



笑顔で発せられた言葉が、再び胸をチクリと刺す。


クラスメイト……か。


でも、そうだよね。
広川くんはみんなの癒やしで、みんなの天使。

彼にとって私は、武田くんと同じ、交流が多いクラスメイトの1人だ。

仮にあっちも好意を持っていたとしても……私が持つ好意とは一致しない。


まさか、こんな形で気づいてしまうなんて。

一瞬でも、告白されるのかなと思った自分が恥ずかしくなった。







「失礼します」

「はーい。恵理ちゃん、お願い」

「はいっ」



平日最終日の金曜日。
先生のお手伝いをしつつ、来室した生徒の相手をする。



「どうしましたか?」

「指切っちゃったんですけど、絆創膏ありますか?」

「ありますよ。ちょっと待ってくださいね」
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