【短編】保健室の常連客
──キーンコーンカーンコーン……。
回想していたら、昼休み終了5分前のチャイムが鳴った。
あと3分の1……。
昼休み中に終わらせたかったけど、しょうがない。今回は居残りするか。
机の上を片づけていると、先生がいないことに気づいた。
どうりで静かだなと思ったら、いつの間に。
閉め切られたカーテンに目を向ける。
……私が起こさないと、だよね。
「広川くん、チャイム鳴ったよ」
「…………」
返事がない。
そんな……直接起こさないとダメ⁉
はぁ……先生、留守にするなら先に言ってくださいよ。
カーテンを開けて、横たわっている彼の肩を叩く。
しかし、微動だにせず。
どうしよう、全然起きない。あと4分で授業始まるっていうのに。
少し強めに叩くと、ゴロンと仰向けになった。
う、わ……っ。
気持ちよさそうに眠る顔に、思わず胸が高鳴った。
前から思ってたけど、肌綺麗だなぁ。
クラスメイトによると、すべすべしてて触り心地がいいんだとか。