【完結】この結婚、漫画にしちゃダメですか?
「急にお電話してしまってごめんなさいね。御幸からあなたのお話を聞いて、なんだか香菜さんとお話をしたくなっちゃってね」
やっぱり番号の流出はお兄さんだったかぁ……
「あ、いえ。私のほうこそ結婚式でのご挨拶だけになってしまっていて」
私の言葉は平静を装っているけど心臓はバグバグ、動揺でいっぱいだ。
ど、ど、ど、どうする?!何を話せばいいの。まだ小笠原さんとは何も打ち合わせていないのに下手なこと言ったら墓穴を掘りそう。
「香菜さん。クッキーはお好きかしら?」
「クッキー……あ、はい!大好きです。ついつい夜中に食べちゃうぐらい好きです」
なんでクッキーの話?と思いながらもご機嫌取りのような感じに話を合わせてみた。
「良かったわ!私ね、お菓子作りが趣味で昨日クッキーをいっぱい焼いちゃったのよ。もし良かったら香菜さん家に食べにいらっしゃいよ」
「はい……あ!」
私はおばあさんの言葉に曖昧な相槌を打っていたらつい流れで返事をしてしまった。
一瞬、呆れる小笠原さんの顔が頭によぎる。私はなぜにこう口が勝手に動くのか。
「良かったわ─。じゃあ後でショートメールに住所送るから。14時ぐらいに家へいらっしゃいね。楽しみだわ!」
「あの、おばあ様、今日は私ちょっ……」
"ツ─ツ─ツ─……"
切るの早!
"ピロリーン"
しかもショートメールも早!
どうしよう。やっぱり私が行っちゃマズイよね?とりあえず小笠原さんに電話してみてどうしたらいいか聞いてみよう。
私は急いで小笠原さんに電話をかけてみたが電源を切っているのか通じず。仕方なくこの事態の内容をラインで送っておいた。
まだ時間あるし、とにかく小笠原さんからの連絡を待つとしよう。
そう思いながら私は自分の荷物を片付け始めた。