Rain shadow─偽りのレヴェル─




『でも、…殺されたんだって』



いつ、殺されてしまったの。
どうして、だれに、なにがあって。

ぐるぐる浮かぶわりにはひとつも解決なんかされないんだから嫌になる。



「…あなたと姉さんは、似てるんです」



だから前にも間違えてわたしに「姉さん」って言ってきたのかな…。



「姉さんもよく…おれの頭を撫でてくれたから」



わかるよ瀧、わたし、すごくわかるの。

ずっと一緒だった兄妹が突然いなくなるのって、つらいとか苦しいとか、そんな言葉じゃ言い表せないよね。


それが誰かに殺されたとなると、尚更。


夢と現実の境界線が分からなくなって、気が狂いそうになって頭がおかしくなりそうになって。

たとえ自分が人殺しとなってまでも復讐をしたいと思ってしまう。



「…おれはあなたの味方ですから」



何度、この子はわたしにそんな言葉を贈ってくれただろう。


わからない、なんにも分からないけれど。

どうしてか瀧のお姉さんと、このRain shadowには何かの繋がりがあるんじゃないかって。


そんなことを一瞬でも考えてしまった。



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