Rain shadow─偽りのレヴェル─




12月6日。
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高校も同じがいいとか言ってきたから、俺はわざと不良高校の男子校を選んでやった。
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これであいつも兄貴離れするだろ。
ほんと、清々するよ。
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強くなれよ深雨、双子だからって俺はお前が傍にいると彼女も作れないし。
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「……そうだったんだ、」



ショックではなかった。

兄妹とはそういうもので、反抗期とはそういうもので、むしろ優しいだけじゃない本当の部分が知れた喜びもあって。


それでもやっぱりお兄ちゃんらしい優しさの残る、わたしのことを考えてもくれている日記だった。


1月6日、2月6日、3月6日、

1ヶ月置きの6日に必ず更新されている。



「けっこう書いてたんだ…、」



ペラペラと捲ってみる。

たまにふふっとこぼしてしまう内容も書かれていて、ちょっとだけ面白かった。



「…あれ?」



それは高校へ入学してから1ヶ月と少しが経った頃。

6日に更新される日記が覆された、5月24日に書かれたものがひとつ。



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