Rain shadow─偽りのレヴェル─




『よっ!』


『……よ、じゃねぇよ。なんでお前また来てんの。学校はどうした』


『ふたりに会いたくてサボった!』



呑気に言ってるけど、ここは不良しかいない男子校だ。

そんな場所に他校のセーラー服を着た女が一歩でも踏み入れてしまえば、どうなるか想像できるだろ。


だとしても言うことを聞くような女ではないのが蛇島 翠加だった。



『翠加!学校から離れた場所で呼べば俺が迎えにいくって言ってただろ!』


『だーって、いちいち待つの面倒なんだもん』


『……なにかあったらどうするんだよ、』



ため息を吐く俺とは反対に、血相を変えて駆け寄るのは爽雨。

最初は翠加に対して警戒心の塊だったが、その屈託ない人柄とやらにいちばん最初にノックアウトを食らったのがこいつで。



『へいきへいき!私の弟は強いし、私だって昔から打たれ強いからっ』


『…翠加、俺はお前が心配なんだよ』


『えへへっ、ありがとう爽雨くん!』



Ghostの総長である2年の霊池と仲良くなったこともあり、着々と俺たちは朱雀工業高校で名前が上がってきつつあった。


そしてつぎ落とそうと企むのはFoxだ。



< 124 / 364 >

この作品をシェア

pagetop