Rain shadow─偽りのレヴェル─
「…アヤト、」
読んでいくうちに、兄の最初の友達は久遠 綾都(くおん あやと)という男だと知った。
それから彼らは何を血迷ったのか、たったふたりだけで不良高校に散らばる4グループを統一させようと企(くわだ)てて。
だんだん増えていく仲間たち。
思わずお母さんに「ちょっと友達から電話」と嘘を言ってまで夢中になって読んだ。
「───……どういう……こと、」
けれど、読まないほうが良かったかもしれない。
楽しい日常がガラッと変わってしまう瞬間は、こうも突然に訪れるものなんだと。
そしてそれは、わたしの今後の人生を変えてくれる日記にもなった。
それは1年経ち、彼らが高校2年生に上がった5月のこと。
5月6日。
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あいつは俺をずっと馬鹿にしてたんだ。
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Rain shadowだって俺が作ったんだ、俺だけの力で作ったのに、、、
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それなのに俺からぜんぶのものを奪って、何食わぬ顔で生きてる。
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だから殺したい。
殺したい殺したいころしたい、殺したい、
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でも俺はあいつには何ひとつ勝てるものを持ってないから。
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俺は久遠 綾羽を許さない。
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あいつが俺を殺したんだ、俺は自殺じゃない、あいつに殺された。
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