Rain shadow─偽りのレヴェル─
「んん…っ!っんぅ…っ!」
「…あいつぜったい落ちてるわ」
「んん…っ、ふ…ぁ…っ」
「おまえも普通に笑いかけてどーいうつもり?」
そこは海の家の近くに建てられた簡易的なシャワールーム。
一応はドアも鍵もついているけれど、すぐ外は砂浜を歩く人たちの笑い声が聞こえてくる。
とんとんっと呼吸を求めた合図さえ、パシッと取られては引き寄せられる。
「…まだ足りねぇって」
シャーーッと、シャワーの音はただのカムフラージュ。
この行為を隠すためだけのもの。
あれから腕を引かれてついてくれば、こんな場所で深いキスをされて。
どーいうつもりはわたしのセリフだ。
「も…っ、立て、ない……っ、」
ガクンっと腰から砕ける寸前で支えられて、そのまま抱き寄せられる。
程よく鍛えられた素肌がピタッとくっついて、はあっと耳元には甘い吐息が広がって。
「…あいつだって男なの分かってんの?隙見せすぎ」
「で、でも瀧は…っ、」
「毒蛇ナメんなよ。…俺からすればあいつが一番なに考えてるか分かんねぇし」