Rain shadow─偽りのレヴェル─




妹がいるなら、一人っ子の俺より女心が分かっているはずだというのに。


それとは別に、男女の双子というものにどこか興味があった。

顔はどれくらい似てるんだろうか。

性別が分かれているから二卵性だろうけど、少し気になった。



『えーっと確か母さんから送られてきたのが……あったあった、高校の入学式のときの。楽しみすぎて前日は制服着たまま寝たんだよこいつ』



アホだろ、なんて言いながら見せられた画面。

スカートにブレザー、リボンをつけて大人しそうに写る女の子がひとり。



『……似てねぇな、』


『まじ?昔っから一卵性並に似てるって言われるけど。よく間違えられるからって理由だけで髪伸ばしてるくらいだし』



切ったらたぶんそっくりだよ、なんて言ってるけど。


さすがに分かるだろそれでも。

ちなみにそれはお前の低身長をいじっていいってことかと、迷う。



『妹のほうがかわいい』


『……お前こういう顔がタイプ?泣き虫だから苦労するぞ』



ここ共学?と自然に聞いてしまうくらい、なぜか俺のなかで好印象に映った。



『深雨だっけ、なまえ』


『いじめて泣かすなよ』



やっぱりこいつはシスコンだと俺は思う。



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