Rain shadow─偽りのレヴェル─
ここにいる爽雨さんは爽雨さんじゃないということも。
そして爽雨さんはもう───…死んでいるということも。
「ねぇ、ちょうど4グループの総長が揃ったことだし…この際だから聞いていい?」
「Ravenの連中にはもう話は通してあんで」
「Ghostも同じく」
佐狐先輩の質問は、わざわざ言葉にする必要がないものだった。
察したふたりの総長は鋭い瞳に変わった。
「だろうね、もちろんFoxもみんな士気が高まってるよ。…Viperは?」
「おれのところも同じです」
「なら、あとは時間を待つだけってことだ」
とうとう鬼木とRain shadowは決着をつける。
そう申し付けたのは他でもなく、参謀である彼の妹だった。
おれだってこのときを待っていた。
姉さんの仇、尊敬していた爽雨さんの仇。
おれが必ずあいつを殺す───と。
「綾都くんがいちばん本気だ。もう下の奴らに鬼神の情報を集めさせてる」
「…情報…って、なんの…?」
不安げに落とした参謀。
さっきまで黙々と食べていたお弁当は、箸さえ置いている始末だった。