Rain shadow─偽りのレヴェル─




俺の命令を求めている目。

なぁ爽雨、頭脳が使える参謀のお前なら、こんなときなんて言ってた……?



「…RavenとFoxを混ぜて、半分は学校に向かってくる鬼神を食い止めさせろ。
残りは向こうでも待ち構えてるだろうから一緒に連れていく」



───ちがう、綾都。

鬼木が裏とも関わりがあるなら、そこで動く半グレを止めるほうにも回したほうがいい。



「っ…!!」


「綾都…?どないしたんや」


「……やっぱり学校は、Ghostに任せる。他はこの機を活用して裏で好き勝手するかもしれない奴らの駆除に回せ」



俺の命令どおりにそれぞれがスマートフォンを操作して、ただひとりに連絡を入れる。


それはグループ内で2番手として動く副総長たちだ。

そいつらに連絡を入れさえすれば、全グループの全員が動き出す。


……聞こえた、爽雨の声が。


いま、この的確な命令を下したのは俺じゃなく参謀だ。



「こっちはOKだよ」


「オレもや、」


「よし、いくぞ」



校舎外から響くエンジン音はバイクを用意してくれている仲間のものか、それとも敵のものか。

その区別をつける時間すら俺たちにはない。



「なぁリョウセー、瀧はひとりで向かったんちゃうやろな?」


「…どうだろ。Viperに連絡は入れてると思うけど、俺たちと同じ場所に集めるとは限らないね」



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