Rain shadow─偽りのレヴェル─




反乱を起こしているRavenとFoxは必ずわたしが元の形に戻す。

今もどこかで笑って聞いているだろうから、よく頭に叩き入れておいて。


烏間 赤矢。

それから、佐狐 遼成。



「そんな出せるならマイクいらねぇだろ」



それは馬鹿にする言葉じゃなく、呆れているようなものでもなく。

校舎内が静けさを取り戻すと、どこか嬉しそうに音量をすべてミュートにしながら久遠 綾都は言った。



「ま、効果はありそうだけど」


「…ほんとに大丈夫かな…、みんな怒ってない…?」


「ふっ、今度は急に自信なさげ?」


「そっ、そんなことない…!」



教室に行こう。
ようやく向かうことができる。

ここの学校生活はどんな授業風景なのかと、期待はしてないけれどちょっとだけ気になるわたしもいるから。


───と、放送室を出ようとすれば、ぐわっと引かれた腕。



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