Rain shadow─偽りのレヴェル─




何より、そこにいる俺しか知らない大きな秘密のことだって、こいつらは目にすることになる。



「……たぶん警察より先に救急車が来る」



すぐに病院へ連絡して、俺はスマートフォンをしまう。

数分もしないうちに救急車のサイレンが聞こえてきた。



「遼成と赤矢は霊池と一緒にここに残って、カオルさんに土下座な」


「わかったけど…鬼木のことはどこまで話せばいい?」


「ぜんぶでいい。これは立派な殺人未遂だ。殺人の前科もあるから、さすがにもう2度と出てこれねぇだろ」



そして残るひとりへと視線を落とした。


本物の反逆者であり、本当に俺を殺そうとしていた男。

瀧だけはずっと忠実なひとりだったから、俺もショックはあった。



「瀧、おまえは俺と一緒に病院に来い」



爽雨、ごめん。


お前の大切にしていた妹と後輩をこんな形で再会させる予定じゃなかったんだ。


こんなことになるなんて思ってなかった、なんて言うつもりはないけど。

でもお前の冷静な判断だったら、こうなる前にどこかで食い止められたかもしれない。


だからやっぱり俺たちRain shadowには爽雨が必要なんだよ。



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