Rain shadow─偽りのレヴェル─
「ふははははっ!我らゴロロ族を倒そうなんて、神であるブラフマーが許すまい。シュタッ、ザザーーッ、
なにっ!?ブラフマーだと!?嘘をつくな!!私はシヴァの使い手なのだ!!」
「…ねえ、さすがにマンガの朗読はやめない?意味わからないから」
「黙っとれ!今ええとこなんや!!」
「それお前が読みたいだけでしょ。爽雨くんぜったい興味ないって」
懐かしい感覚だ。
その賑やかな声は、鬱陶しく思いつつも嫌いではなかった。
ピッ、ピッと、傍から一定音に聞こえる音は、生きていると思わせてくれるもので。
「ちゃうわ!オレは深雨に聞かせてんねん!!」
「尚更じゃん。せめて女の子には少女マンガだって」
「少女マンガなんかつまらんくてしゃーないわ!」
呑気な笑い声と、関西弁。
つんと鼻を刺激する独特な匂い。
目を閉じていても、窓から注ぐ太陽の光を感じることができる。
「静かにしてくれませんか。それじゃあ2人が落ち着いて休めない」
「あ、ごめんごめん」
「ん?また花か?おまえ、来るたびに持ってきてるやろ。葬式みたいなるやん」
「……笑えないんで。ほんとやめてください」