Rain shadow─偽りのレヴェル─
この学校は分かりやすい。
だってRain shadowの幹部以外は私服姿だ。
それが他との違いを表すものなんだろうと。
だから制服姿の烏間 赤矢が入ってきたとき、一目見て分かったのだ。
そんな赤矢はわたしの言葉に目をパチクリさせたあと、見せびらかすくらいの大笑いを上げた。
「はははははっ!!なにしょーもないこと言ってんねん!!お前が最初にRain shadowを抜けたんやろーが」
「……え、」
そうだったの……?
お兄ちゃんが作った組織なのに、自分から抜けてしまったの…?
「そのくせ、いつの間に戻ったんか知らんけど。この前の放送やってオレたちに喧嘩売ってきたんちゃうん?」
「…そうじゃない、僕は武力ではなく話し合いで、」
「アホ。話し合いで解決できんかったからお前は参謀にしかなれんかったんやろ」
どこか引っかかる言い方だった。
まるで兄を馬鹿にしているようにも聞こえてしまうし、兄に力が足りなかったからもうひとり居たとも解釈してしまう。
そのもうひとりは考えなくても分かる。
「それに仲間なんて、たとえ参謀やろうがそんなくだらんこと言ってると殺されても知らへんで?
みんな本当は常にお互いの命をいつ奪えるか企んでる物騒な連中でしかないんやから」