Rain shadow─偽りのレヴェル─
ギロッと、その目が太陽の反射じゃなくとも赤く見えた。
「オレたちは偽りの仲間やったってことやな」
ぽんっと、わたしの頭に手を乗せてくる。
「……おまえシャンプー変えたん?」と言われたとしても反応できなかった。
「…なら、本物の仲間に変えればいいだけだよ」
「……ほー?やれるもんならやってみ?」
関西弁を使うクラスメイト、烏間 赤矢。
もしかするとわたしの命をいちばん近い場所から狙ってくる男なのかもしれない。
「…おまえは2日じゃなく2年くらい寝てろよ、赤矢」
「ふはっ!ほんならそれくらいオレのタガ、切らしてみることやなあ」
そんな皮肉を初めてクラスメイトと交わした。
朱雀工業高校の生徒になって、5日が経過した今日。
きっとお兄ちゃんならこう言ってたんだろうなって、ほんの少しだけ分かってきた。
「言っとくけど、オレはリョウセーと組んだわけちゃうから。あいつがワケわからんこと企んどるだけや」
烏が翼を羽ばたかせて茜色の空へ溶けるように、その男は気づけば居なくなっていた。
一筋縄にはいかなそうだ。
やはり4グループも揃っていると、本当の反逆者が誰なのか探ることすら一苦労。